『万引き家族』みたよ

ども~。

 

先日実写版BLEACHを観に映画館に行ったのに、受付でチケット買うときになって突然気が変わって『万引き家族』にしました。

 

(※以降ネタバレあります)

 

まあ、出てくる役者出てくる役者、みんな上手い。びっくりした。その辺にいるオヤジとか婆さんとかオバチャンみたいな感じで、役者じゃないみたいだった。

 

万引き家族』ってタイトルから想像できるように万引きしてる家族の話なんだけど、万引きだけじゃなくて他にもいろんな事やってるんだ、万引き家族は。たくさんエピソードがあって、そのどれもが「なんかこういう話ニュースでみたな」という感じで、万引き家族はそういうのを一手に引き受けてる家族。

 

個人的にグッと来たのはリリー・フランキーとショウタが『スイミー』の話するとこ。』ショウタの『スイミー』の話にリリー・フランキーが付いていけなくて、ショウタもそれがわかって、すっと話を変えるところが、悲しい。

あとリリー・フランキーが「俺に教えられるの万引きだけだったから…」っていう場面、悲しい。

 

終盤、家族のことが表沙汰になってニュース番組で報道されるんだけど、それが「なんかこういう話ニュースでみたな」まんま。これまでずっと見てきて、それなりに思い入れがある家族がそんな言葉で表現されてしまうのか、という落胆。きっと普段聞き流してるニュースにもそういうとこあるんだろうな。

 

映画を観たあとで、是枝監督の小説版をパラパラ読むと映画と違いがあって面白かった。最後に女の子が遠くを見るリンや、バスの窓から外をみるショウタのシーンにそれぞれの気持ちが書き込まれてたりして。

リンとショウタこれからがんばってほしい。がんばってほしいというか、大人がやらないといけないことがたくさんあるわけだけど。お前もがんばれよという感じだけど。

 

最後のショウタとの別れ、安藤サクラが『スタンドバイミー』で主人公に「町を出ろ」っていう男の子と重なるような気もして。だけどショウタは自分の意思で全部決めたんだよな。『スタンドバイミー』の主人公とは違うか。

 

いずれにしろ万引きだけじゃなくて、いろんなしんどいことを詰め込まれた家族の映画で、きっと多くの人が経験したことがあるちょっと嫌なことを、ギューッと凝縮しためちゃめちゃ濃い原液みたい。誰でもどこかしら引っかかるところがあると思う。そういう意味で国を越えて評価されてるのは納得した。

 

一部で言われてるように「日本が万引きを許容していると思われる」というような内容ではまったくなくて、むしろ逆に万引きに象徴される「許されないこと」が取り締まられる社会で、その隙間にしか生きることができなかった人の話だった。見終わってからも悶々と考えるタイプの映画。

 

あと松岡茉優かわいかった~。